活動報告

活動報告

2016年08月17日
第1回長野県病院薬剤師会南信支部研修会

ウェブマスター

相澤病院糖尿病センターセンター長
山下浩先生

8月3日に第1回長野県病院薬剤師会南信支部研修会ならびに総会が諏訪市のベルファインにて開催されました。
総会では昨年度の事業報告書、今年度の事業計画、予算等が報告、承認されました。

情報提供として第一三共さんからDDP-4阻害剤テネリアの最新情報を提供して頂き、続いて特別講演として相澤病院糖尿病センターセンター長の山下 浩先生より講演を頂きました。詳細は岡谷市民病院和田がレポートします。

特別講演では、相澤病院糖尿病センター長である山下浩先生に「糖尿病に対する薬物療法~合剤の位置付けに対する私見を含めて~」という演題で講演をして頂きました。

 まず先生からは、糖尿病が世界的な問題である現状について図を用いて分かりやすく教えて頂きました。現在、世界で約11人に1人が糖尿病であるといわれているそうです。しかし、その2人に1人は診断されていないという問題があります。また、日本は糖尿病大国であり、世界で9番目に糖尿病患者が多いそうです。医療費の面から見ても、全世界で年間67兆円、日本でも毎年5千億円以上がかかっており、このことからも糖尿病を早期に診断して治療を開始し、症状の進行を止める事が大切なのだと改めて感じました。
次に糖尿病の治療薬について、薬剤の特徴や、先生がどのような点に注意して処方しているのかをお話して頂きました。新しい治療薬であるSGLT2阻害薬では、やはり脱水や脳梗塞に注意すること、DPP4阻害薬はアジア人に有効性が高いと言われていること、BG系薬では脱水によって乳酸アシド―シスを起こしやすくなる事から、脱水を起こす可能性のある発熱や下痢、ヨード造影剤の使用の際には休薬が必要であること等、知っている事ではあっても非常に大切な事が多くあり、知識を整理する良い機会となりました。また、最近では糖尿病の治療薬にも合剤が出ていますが、糖尿病の患者さんは他にも生活習慣病を持っている人が多く、何種類もの薬を服用している人も多いため、病態が安定して自己管理がしっかりと出来る患者さんにとっては、内服薬の数を減らすことの出来る合剤はメリットではないかとおっしゃられていました。しかし合剤には調節がしにくいという問題点もあるため、やはり第一選択ではなく、使用する際にはそれぞれの副作用に注意しながら使っていく必要があるのだと思いました。
今回の先生の講演を聞き、現在世の中に多くの糖尿病治療薬がありますが、誰にでも当てはまるというものは無く、患者それぞれの病状や背景に応じた治療が必要なのだと改めて考えさせられました。薬剤師として、今後も新しい知識を増やし、糖尿病の薬物治療について勉強していきたいと思いました。(岡谷市民病院 和田 紀咲)

総会、研修会には45名の先生に参加して頂きました。今年度は診療報酬の改定がありこれらの改定への対応も含めた勉強会を計画していますのでぜひご参加いただきますようお願いします。
最後に岡谷市民病院も7月28〜29日に病院機能評価を受審しました。詳細な評価が出るのは1ヶ月後くらいですが新病院開院から息もつく間もなく受審となり運用も手順もバタバタな状態での受審で結構ボロボロな状態でした。なかり厳しい質問もありましたが病棟、薬剤科ラウンド、ケアプロセス等の質問事項など記録してありますので必要な場合はご連絡ください。(岡谷市民病院 伊藤)

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