求められ応えられる薬剤師へ
長野県病院薬剤師会 会長
神田 博仁
県内の先生方の後押しにより、長野県病院薬剤師会の会長を拝命いたしました信州大学医学部附属病院の神田でございます。保科会長の後を引き継ぎ、また、これまで諸先輩方が築き上げてきた長野県病院薬剤師会を、会員の皆様とともに、さらにACTIVEで透明性のある組織を目指していきたいと思っております。
診療報酬、介護報酬ダブル改定の今年、地域包括ケアシステムと合わせて医療・介護提供体制の変革が本格化していきます。入院医療機能の分化、また、外来患者の多様化に伴い、薬剤師には病棟業務に加えて新たな外来業務の展開が求められております。地域を中心とした医療・介護提供体制への対応には、かかりつけ薬剤師や他職種との医療連携が不可欠です。今後、間接・直接的に在宅医療へ参画の機会も増加し、薬剤師の活躍するステージは施設内から地域へ広がっていくことが予想されます。
病院薬剤師の活動は、今回の診療報酬改定を見ても一定の評価は得られており、さらなる連携の推進による切れ目のない医療の提供を実践することで、エビデンスを築き上げていくことが求められております。各支部単位での、連携の輪は広がりつつあります。しかしながら、全県を単位とした連携事業はこれからと言えます。このためには、長野県薬剤師会との密な連携が必要であり、合同委員会等の開催を通して、連携システムの構築を進めていきたいと考えています。また、病院薬剤師の求められていること、開局薬剤師の求められていること双方を理解し、刺激しあうことで、医療の向上を目指していきたいと考えております。
病棟に薬剤師がいることが当たり前になってきました。病院薬剤師は入院経験のある方には身近に感じられるようになって来つつも、世間的に病院薬剤師のイメージは沸きにくいと思われます。我々病院薬剤師が存在感を示せるよう、地に足をつけ、その基盤づくりを進めていきたいと考えております。そのためには、委員会等の活動の基盤となる事務局体制の整備、行政、関係団体との対話が必要なことを強く感じております。決して自己満足にならないよう、全県の病院薬剤師が同じ方向を見て進んでいけるよう、ひとりひとりの薬剤師が、求められ応えられる薬剤師を目指して、会全体で取り組んで参りたいと思います。