病薬ひろば

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2017年02月08日
病院紹介 信州大学医学部附属病院

事務局


建設中の包括先進医療棟(平成29年1月現在)

 信州大学医学部附属病院は松本市の北東に位置し、長野県で唯一の国立大学である信州大学の松本キャンパスにあります。晴れた日の病院の最上階からは四季折々の美しい日本アルプスを望むことができ、来院される方々の癒しの一つとなっています。
 信州大学には、県内のみならず県外各地からも日々患者さんが診察に訪れています。また屋上にはヘリポートを備え、毎日のようにドクターヘリが県内各地へと飛び立って行きます。施設の規模としては707床を有し、職員は1800名以上、うち薬剤師は45名(平成29年1月現在)と、病院としては県内有数の非常に大きな組織で成り立っています。平成30年4月には、高度急性期病院としての医療提供体制の整備を行うため「包括先進医療棟」がスタートする予定です。包括先進医療棟では、ハイブリット手術室を完備した手術室の増室やICUの増床、信州がんセンター通院治療室の増床、周産期医療の拡充等が行われる予定となっています。

 当院は長野県内で唯一「特定機能病院」として認められた病院です。その基本理念は、『高度の医療を提供する』『高度の医療技術の開発及び評価を行う』『高度の医療に関する研修を行わせる』の3つです。つまり、『臨床』・『研究』・『教育』、それぞれに精通していることが求められています。もちろん私たち薬剤師にもそれが要求されています。
まずは『臨床』ですが、調剤やDI業務、高カロリー輸液や抗がん剤の調製、薬物血中濃度モニタリングに至るまで幅広い業務を行っています。さらに、医療スタッフの一員として薬剤師を病棟、通院治療室、高度救命救急センター、手術部、医療安全管理室、感染制御室、栄養サポートチーム、緩和ケアチーム、臨床研究支援センターなどに配置し、各部署と連携することで、医薬品適正使用を推進し、高度医療の担い手として活動しています。
また、『教育』については、全国の薬科大学、薬学部学生を実習生として迎え入れ、11週の実務実習を担当しています。医学部を有していることもあり、信州大学医学部の医学科生、保健学科生に対しての講義、臨床実習も担当しております。
最後に『研究』です。業務の合間をぬって、私たちが臨床の現場で疑問に思うことや、興味をもったことをテーマとし研究を推進しています。また、私たちの薬剤部には研究部門として研究室があり、基礎研究、臨床研究、調査・疫学研究を中心に取り組み、その成果を学会での発表や学術論文として、医療に還元できるよう努めています。
 
 このように私たちは日々、薬剤師の職能を活かせる場を広げるため努力を行っています。薬剤師が病棟で活動するようになって久しいですが、これからも薬剤師の働きを認めてもらえる場が増えるよう、日々切磋琢磨していきたいと思います。
(信州大学医学部附属病院薬剤部 小澤秀介)

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    連日のように当院と長野県内を行き交うドクターヘリ。長野県内の救急医療の中枢を担っています。

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    平成28年度薬剤部集合写真(調剤室にて)

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    調剤室
    外来、入院患者さんに処方された薬の調剤を行うとともに、副作用や薬物相互作用を回避し、医薬品を適正に、かつ安全に使用して頂けるよう服薬指導を行っています。

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    医薬品情報室
    医薬品をより有効かつ安全に使用して頂くために、適正な使用方法や副作用など、医薬品に関する情報を収集・管理しています。それらの情報は、評価・加工をして患者さんや医療スタッフにわかりやすく情報提供しています。

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    製剤室
    市販されていない軟膏剤・外用液剤、注射薬や点眼薬等の製造、高カロリー輸液や抗がん剤の注射薬の混合を行っています。輸液からの感染リスクの軽減、細胞毒性のある薬剤調製に関わる医療スタッフの被曝防止に努めています。