病薬ひろば

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2017年01月27日
病院紹介 小諸厚生総合病院

事務局


 当院がある小諸市は長野県の東部に位置し、雄大な浅間山の南斜面に広がり、市の中央を千曲川が流れています。小諸なる古城のほとりの一節で有名な島崎藤村の「千曲川旅情の歌」や「千曲川のスケッチ」の舞台にもなった詩情豊かな都市です。
以前は信越線の特急が止まり、佐久地方の交通の要衝として栄えましたが、長野オリンピック前年に北陸(長野)新幹線が開通し駅が佐久市にできるとしだいに寂れ、大型店舗も撤退し街の賑わいもなくなりました。唯一にぎわうのは朝夕の高校生の通学時間帯だけです。

 当院はそんな小諸市の中心に佐久病院小諸分院として昭和35年に開設されました。昭和55年に小諸厚生病院と改称され現在に至っています。現在は小諸市の市民病院的な役割を担い、周辺農村部も含めた約10万の医療圏における急性期病院として業務を行っています。現在500メートルほど北の旧市役所跡地(現市役所の南隣)に新病院を建設中で、本年9月に竣工、12月にオープンの予定です。

 当院の薬剤科は現在11名の薬剤師で業務を行っています。特徴はといわれると困るのですが、とくにアカデミックな業務を行っているわけでもなく、IT化が進んだ先進的な薬局でもありません。どこにでもあるごく普通の病院薬局です。しいて売りをあげるとすれば、末梢注射のミキシングを薬剤師と看護師が協働で行っていることでしょうか。小さい病院ですので全員が一定のレベルでオールラウンドに業務をこなせるジェネラリストが求められます。野球のように守備範囲に来たボールだけをとっていればよいというわけにはいきません。フォワードでも必要があればディフェンスもするといったサッカー型の意識をもって取り組んでいます。逆にいうとそういったことができない人材はどんなに優秀でも当院ではお断りです。このスタンスは新しい病院になっても替えるつもりはありません。

 現在新病院オープンに向けて準備中ですが、限られた予算、狭い敷地など、条件が厳しい中での新築移転です。多くの機器は移設となります。自宅を新築するように夢にあふれわくわくするような状況ではけっしてありません。それでも新しくなるからには効率的な業務が展開できるような職場を作りたいと悪戦苦闘しています。必要は発明の母ではありませんが、創意と工夫でよい職場および薬剤師を育む環境ができればと考えています。

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    現在の病院。後ろは浅間山。

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    新病院建築現場。後ろは小諸市役所。

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    新病院完成予想図。左が病院、右が市役所。