病薬ひろば

クスリについてのコラム

2025年03月26日
花粉症薬について

ウェブマスター


3月になり花粉が飛び始める季節になりました。
ティッシュが手放せない方もいらっしゃるかと思います。

今回は花粉症の薬についてまとめてみました。
花粉症の薬は花粉症によりアレルギー症状が発症する経路を遮断する薬のことです。
点眼薬や点鼻薬のように花粉により生じた炎症を抑える薬も花粉症の薬といわれることがあります。

花粉症がどのようにして起こるか簡単に説明したいと思います。
私たちの身体には、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの病原体やがん細胞などの異物に反応して撃退する免疫システムがあります。
しかし、何らかの原因によって、特に獲得免疫に異常が起きると、通常身体にとって無害な物質に対しても異物と判断して攻撃してしまいます。この結果、自分自身の身体を傷つけてしまう症状をアレルギー反応と言います。
アレルゲンを見つけたマクロファージが食べて排除し、アレルゲンの情報をヘルパーT細胞に伝えます。しかしこの時、ヘルパーT細胞がIgE抗体という抗体を作るように命じてしまうと、花粉やハウスダストと結合できないIgE抗体はマスト細胞(肥満細胞)にくっつくことになります。
その後再度アレルゲンが侵入すると、マスト細胞が抗原抗体反応を起こして、炎症を起こす物質(ヒスタミンやセロトニンなど)を放出し、周囲の細胞を攻撃してアレルギー症状につながります。
IgE抗体が原因で発生する一般的なアレルギー疾患の多いです。代表的な疾患は花粉症、気管支ぜんそく、食物アレルギーなどです。

松本協立病院
前川

  • 花粉症薬について

    アレルギーの仕組みを現した図\r
    自然免疫応用技研株式会社より引用