2017年12月11日
胃腸の日
みなさん、今日12月11日は何の日かご存知ですか?
ユニセフ創立記念日や百円玉記念日とされていますが、胃腸の日でもあります。日本大衆薬工業協会(現 日本OTC医薬品協会)が2002年(平成14年)に制定され「胃に(12)良い(11)日」の語呂合せから、胃腸へのいたわりを持つ日とされています。
忘年会などで暴飲・暴食になりがちなこの時季、胃腸へのいたわりの気持ちを持つことの大切さを啓発すること、また、胃腸薬の正しい使い方や、胃腸の健康管理の大切さなどをアピールすることを目的としています。
そこで、“胃”を守るために大切なことをご紹介します。
<食事編>
【規則正しい食事を】
食事内容も大切ですが、まずは1日3回、規則正しく食事を摂りましょう。
食欲がないなどといって朝食を抜く人がいますが、これだと胃が空っぽの時間が長くなり、かえって胃が荒れる原因となってしまいます。
【食事はゆっくり、よく噛み、腹八分目に】
早食いなど食べ物をあまり噛まずに飲み込んでしまうと、胃への負担が大きくなります。よく噛んで、唾液と混ぜてから胃へ送るようにしましょう。
食後30分程度の食休みの時間をとるようにすると、食べ物の消化を助けることができます。
【脂肪分の多い食べ物は避ける】
脂肪分の多い食べ物は消化に時間がかかり、胃へ負担がかかります。
タンパク質と炭水化物をたっぷりと、ビタミンやミネラルもしっかりと摂りましょう。
繊維の多い野菜類はできるだけ細かくして調理すると、胃への負担が軽くなります。
【アルコールは控えめに】
アルコールは胃粘膜を直接傷つけるとともに、胃酸の分泌を促進して更に胃粘膜を傷つけます。
健康維持のためにも適量を守りましょう。
<生活編>
【タバコは大敵】
タバコは、血管を収縮させて血行が悪くなり、胃の働きを低下させます。
これを機に禁煙に挑戦してみてはいかがでしょうか。
【ストレスをためない】
胃はとてもデリケートで、少しのストレスでもすぐに反応してしまいます。
適度な運動をするなど発散する方法を見つけて、ストレスを身体にためないようにしましょう。
【市販薬は用法・用量を守って】
早く治したい一心から、同じ成分が含まれているかぜ薬と解熱鎮痛薬を一緒に飲んでいませんか。
必要以上の量を飲むと、胃がダメージを受ける可能性が高まります。
また、空腹時に薬を飲むと、胃の不快感につながることがあります。
体調の悪い時ほど食欲もないかもしれませんが、軽く食事をしてから薬を飲むように心がけてみて下さい。
《胃の不快な症状の原因は、大きく分けて2つのタイプがあります》
①胃酸過多のタイプ
胃酸が出過ぎている状態で、空腹時に症状が出やすい。
胃がきりきりと痛む、むかつき、胸やけ、酸っぱいものがこみ上げてくるなどの症状が起こります。
こんなタイプの方には…
H2ブロッカー、制酸薬、胃粘膜修復薬がおすすめです。
②胃腸機能低下のタイプ
胃の働きが低下して、胃腸の消化機能が弱まっている状態。
膨満感、胃もたれ、食べたものがいつまでも消化されないような感じなどの症状が起こります。
こんなタイプの方には…
消化薬、健胃薬がおすすめです。
※なお、原因や症状のタイプがはっきりしない場合は、総合胃腸薬がおすすめです。
胃の不快な症状に対して働く有効成分がバランス良く配合されているため、穏やかですが幅広い症状に対応できます。
最後に、症状がひどいときや長引くとき、あるいは胃薬を飲むことを止めるとすぐにぶり返す、といった場合は、重大な疾患が隠れていることも考えられます。その際は、医療機関を受診しましょう。
JA長野厚生連
南長野医療センター 篠ノ井総合病院 薬剤部
田中 宏治