2016年06月27日
第8回長野臨床腫瘍懇話会に参加して
6月25日に松本市で行われた『第8回長野臨床腫瘍懇話会』に参加してきました。
この会は、がん拠点病院の医師、薬剤師、看護師を中心に行われている会だそうです。
今回のパネルディスカッションのテーマは、『がん薬物療法における薬剤師の関わり』ということで、8名の先生方がそれぞれの施設で行っている取組みや工夫、臨床研究について発表されました。
レジメン管理、患者さんへの説明、薬薬連携、副作用防止の臨床研究など、とても勉強になりました。
ディスカッションでは、座長の先生が
「フロアーの先生(医師)方は、普段、薬剤師の皆さんがこんなに、様々な取組みを行っていることをご存知でしたでしょうか?」
と、水を向けてくださり、
「ここまでとは思わなかった。」
とか
「普段から、薬剤師さんには助けられています。」
とか
「無くてはならない存在です。」
といったコメントを頂きました。
会場の医師、看護師の方々に薬剤師の関わりを知って頂けたことを嬉しく思います。
発表された先生方、お疲れさまでした。ありがとうございました。
その後、虎の門病院腫瘍内科部長の高野利実先生の特別講演『がんとともに、自分らしく生きる~抗癌剤論争を超えて、医療の意味を考える~』を拝聴しました。
とても興味深いお話を楽しくご講演して頂き、時間があっという間に過ぎてしまいました。
一番印象に残ったのは、「医療は、緩和ケアそのもの」という言葉です。
手術も放射線も薬も、何のために使っているのか?患者さんが「がんとともに、その人らしく生ききる」ため。緩和ケアを早期から導入するとか、抗がん剤の「やめどき」とか、そういった議論も必要かもしれないけど、本来医療とは緩和ケアそのものではないか。
私は、緩和ケアをがん治療の一部と捉えていたので、薬物療法などのがん治療が緩和ケアの一部だという180度違った見方に、雷に打たれたような衝撃を受けました。
知らず知らずのうちの、抗がん剤治療から緩和薬物療法へ「切り替え」みたいな壁を自分の中で作ってしまっていたことに気が付きました。同時に目から鱗が落ち、薬剤師として患者さんにどう貢献すべきかモヤモヤしていたものが、今までよりもはっきり見えてきたように思います。
木曽病院 松原